
石川テレビニュース
ISHIKAWA TV NEWS
石川県内ニュース
命を守る最後の砦も“ギリギリ”…七尾市内の総合病院では最大の問題が『水』医療行為優先しシャワー等制限
能登半島地震発生から10日目。奥能登では深刻な物資不足が続いています。それは人々の命を守る病院も同じです。七尾市内の総合病院を取材しました。
「ひどいことになったな」
これは地震直後に石川県七尾市の恵寿(けいじゅ)総合病院で撮影された映像。
床や机の上には資料が散乱し、棚も崩れ落ちてしまっています。
地震発生から1週間以上経過しましたが、医療の現場は厳しい状況が続いています。
恵寿総合病院・鎌田徹病院長:
「壁がやられてますよね、あそこ落ちてますよね。構造物のつなぎ目はどうしてもこうなる。揺れで接続部が壊れる」
このほかにも配管からの水漏れによりパネルが落ちて、むき出しになった天井に、完全に天井が落ちてガムテープで補強された場所も。
しかし一番の問題はー。
恵寿総合病院・鎌田徹病院長:
「水ですね。医療行為に伴う水に関しては最低限確保できているが、患者さんはトイレやシャワーを制限している」
断水による水不足。手術や治療には井戸水を使用。さらに透析が必要な患者は1人当たり100リットルを超える水が必要です。そのため1日に15トン、自衛隊からの給水を頼りに治療を進めています。
この病院ではボイラーの故障で暖房も使用できなくなり、産婦人科の患者など約半分にあたる113人を普段は病室として使用していない場所に移動させました。
恵寿総合病院・鎌田徹病院長:
「寒さ対策ができて水も自由に使えて(患者に)笑顔が戻れば。地域全体、家が崩壊したからメンタルもサポートしなければならない。着実にやっていければ」
命を守る最後の砦。「ギリギリ」の状態が続いています。