
石川テレビニュース
ISHIKAWA TV NEWS
石川県内ニュース
横綱・大の里、琴勝峰を押し出し2連勝 元十両・高立が語る「勝負のカギ」
大相撲秋場所2日目、津幡町出身の横綱・大の里が前頭筆頭・琴勝峰を押し出しで下し、初日から2連勝を飾った。先場所の2連敗スタートから一転、一人横綱のプレッシャーをはねのける好発進となった。立ち合いで押される苦しい展開だったが、金沢市出身の元十両・高立さんは「悪い癖である叩きを出さず、我慢して前に攻めたことが勝利につながった」と勝因を分析。連勝がもたらす精神的な余裕と、今後の戦いへの期待を語った。
4場所ぶりに初日を白星で飾り、幸先の良いスタートを切った横綱・大の里。1年ぶりの優勝を目指す秋場所は、横綱に昇進して初めて“一人横綱”として土俵に上がる場所でもあり、その背には大きな期待とプレッシャーがかかっている。
先場所は初日から2連敗と厳しいスタートだったものの、最終的には9勝6敗で完走。その経験を糧に、今場所は安定した滑り出しを見せた。
2日目の相手は、三役経験者で実力者の前頭筆頭・琴勝峰。大の里はのど輪で状態を起こされる苦しい場面もあったが、前に出続け、最後は押し出しで勝利。連勝を飾った一番を、元十両・高立氏が詳しく解説した。
元十両・高立氏は、大の里の対戦相手である琴勝峰について、その実力を高く評価する。琴勝峰は身長189センチ、体重170キロと大の里に引けを取らない素晴らしい体格を誇る。去年の名古屋場所で初優勝を飾ると、一時は関脇まで番付を上げた実力者だ。高立氏は「立ち合いが非常に強く、手も伸ばしてくる」と分析。さらに、大の里と同じ右四つであることから「当たった後に、右四つにはなりたくない」と、相手得意の形を警戒すべきだと指摘した。
両者の通算対戦成績は大の里の4勝2敗と勝ち越しており、先場所の千秋楽でも大の里が勝利している。
しかし、この日の一番について高立氏は「最初の立ち合いは琴勝峰関が勝ちました」と断言。琴勝峰が、大の里に右を差されたくないという意図から左を固め、頭で当たっていく相撲で、大の里は少し押される展開になったと解説した。
立ち合いで劣勢に立たされた大の里。しかし、ここからの対応が勝負の鍵だったと高立氏は続ける。
「大の里関、いつも悪い癖で、悪いときは叩きが出るんですけど、叩かずに前傾姿勢を保っていました」
劣勢になるとつい手を出して相手を叩きにいってしまうのが大の里の悪い癖だが、この日はそれをぐっとこらえた。我慢して前傾姿勢を保ち、前に出続ける。すると、右をはずせるようになり、それを嫌がった琴勝峰が今度は叩いてきた。その一瞬の隙を逃さず、大の里はそのまま前に圧力をかけて押し出しで勝利した。
高立氏は、この一番の勝因を「我慢して引かずに、前に、前に攻めたところが勝利につながった」と分析。単純な押し相撲に見えて、そこには劣勢を耐え、好機を待つという横綱の深い読みがあった。
先場所の2連敗スタートとは対照的な、初日からの2連勝。高立氏は、この結果が精神的に大きな意味を持つと指摘する。
「初日をちょっと、少し硬さが見られたんですけど、しっかり相手をさばいて白星につなげられた。今日もいい相撲でした」
一人横綱として臨む場所は、凄まじいプレッシャーがあることは想像に難くない。しかし、この2連勝によって「だいぶ気持ち的にも楽になったのかなというふうに見られますし、すごいリラックスして相撲を取れると思います」と語り、今後の相撲に好影響を与えるとの見方を示した。
幸先の良いスタートを切った大の里に対し、高立氏は「1日1番、白星を並べていってもらって、10月には金沢での巡業もありますし、ぜひ優勝して凱旋してもらいたいですね」と大きな期待を寄せた。
3日目は、今日対戦した琴勝峰の弟である前頭筆頭・琴恵光との一番に臨む。
また、その他の郷土力士では、七尾市出身の輝が押し出しで2連勝。穴水町出身で幕下の丹治は寄り倒しで白星発進を決めた。金沢市出身で十両の遠藤は、叩き込みで敗れ1勝1敗となっている。
一人横綱の重圧を乗り越え、郷土の期待を背負う大の里が、賜杯を手にすることができるか。15日間の戦いはまだ始まったばかりだ。