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輪島のビル倒壊はなぜ起きたのか 遺族が「提訴」に踏み切った理由
おととしの能登半島地震で、輪島市の7階建てビルが倒壊し、隣接する住宅に住んでいた妻と長女を亡くした楠健ニさん。
5日、ビルを所有していた輪島塗の販売店「五島屋」と国におよそ2億円の損害賠償を求めて提訴すると発表しました。
楠さん:
「今でも地震で2人が居なくなったとは思っていなくて、ビルが倒れたからこそ、あの2人はそれに挟まれて亡くなったんだというしか頭になく…」
5日、都内で会見を開いたのは、現在、神奈川県川崎市で居酒屋を営む楠健ニさんです。おととしの能登半島地震で、妻と長女が犠牲になりました。
リポート:
「輪島塗の五島屋という建物です。根こそぎ倒れてしまっています。かなりの高さのビルが根元から倒れてしまっています」
能登半島地震では輪島市河井町にある、輪島塗販売店「五島屋」の7階建てビルが倒壊しました。この倒壊で隣接する楠さんの住宅兼居酒屋が押しつぶされ、健ニさんの妻・由香里さんと長女・珠蘭さんが、下敷きになり亡くなりました。去年12月に国が公表した調査結果によると、杭で支えられた鉄筋コンクリートの建物が転倒したのは国内で初めてで、複数の要因でビルを支える一部の杭に負荷がかかったと指摘。
一方で、転倒の原因については未解明な部分も多いとしていました。
楠さん:
「どうしたら原因を究明できるのかといったら、こういう形でしか詳しく調べられないと感じて提訴に踏み切った」
今回、楠さんは五島屋に対し、建物を支える杭が脆弱なものだったことや、杭とその上の柱が接続されていなかったなど、耐震補強を怠ったと主張しました。
また国に対しては、危険な建物に耐震補強を促さなかったと指摘し、五島屋と国にあわせておよそ2億1500万円の損害賠償を求めました。
楠さん:
「地震は誰にも止められないんですよ。大きな力に立ち向かうのが人間であって、裁判によってちょっとでも動いてくれれば良いな。周りの人が感じてくれればいいなと思うだけですね。」
また楠さんは今後、再び輪島に戻る可能性も示唆しました。
楠さん:
「女房との約束もあるし、一旦戻ってもいいんじゃないかな。ちょっと状況を見て、もしかしたらこっちに戻ってきてもよい。ビルがあってここで2人も犠牲になったというのを忘れてしまうのが嫌だと思う」