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金沢市長5期20年務める…山出保氏が死去 93歳 関係者から惜しむ声 谷本前知事「存在感大きかった」
14日、金沢市長を5期20年務めた山出保(やまで・たもつ)さんが亡くなりました。関係者からは惜しむ声や功績をたたえる声が上がっています。
金沢市によりますと山出さんは14日午前肺炎のため亡くなりました。93歳でした。15年以上にわたり知事と金沢市長の関係でまちづくりを進めた谷本正憲(たにもと・まさのり)前知事は…
谷本前知事:
(「金沢という街にかける思いというんですかね。)「金沢の歴史を大事にしながらも新しいものをどんどん取り込んでいく。山出さん抜きにして今の金沢の立ち位置を語ることはできない、それくらい存在感が大きかった人ではないですかね。」
山出さんが熱意を注ぎ、開館した金沢21世紀美術館は今や金沢のシンボルとなりました。
金沢21世紀美術館鷲田めるろ館長:
「(今年4月の就任挨拶の時)『美術館つくるときしんどかったわ』ってことをおっしゃっていました本当に難しい狭い道を切りひらかれた思いを引き継いでそれをきちんとつなげていきたい」
このほか金沢市の村山市長は「市政発展に尽くされた足跡は計り知れません。改めて偉大なご功績に敬意と感謝の意を表するとともに安らかなご永眠をお祈りいたします」とコメントしています。
山出さんの葬儀は近親者のみで執り行われ、後日、市がお別れの会を開催する予定です。
現在の金沢の礎ともいえる街づくりを進めた元金沢市長、金沢21世紀美術館や金沢駅東口の鼓門ともてなしドーム。今や金沢の顔となった、一連の事業を手がけたのが元金沢市長、山出保(やまで たもつ)さんです。
山出さん:
「人々は改めて金沢という町の存在感を誇るようになる」
1990年、助役を務めていた山出さん。当時の江川市長から後継に指名され、市長選に出馬しました。
旧町名の復活や職人の支援など伝統文化を軸とするまちづくりをすすめた山出さん。こうした中、市役所の隣に美術館を作るという構想が。そこで、思わぬ試練が訪れました。
山出さん:
「一般市民の多くの方から金沢に現代美術は似合わないこういうご意見が本当に強く出ましてね、大変苦しみました」
さらに、金沢駅の整備でも施工の途中から「目立ちすぎだ」「異様だ」という批判が出ていました。それでも、山出さんは信念を貫きました。
山出さん:
「伝統の革新を図る中で新しい価値を作り出していかなければならない」
こうして金沢に「2つの顔」が誕生。伝統と創造。山出さんの街づくりは、国の内外から高い評価を受けました。
2010年。6期目を目指した山出さんは市長選で敗れ、政界を退きました。
山出さん:
「一生懸命働いた。その言葉を言う自負があります。悔いはなかった。そんなことから少しは安心したのかもしれない」
まちづくりに情熱を燃やし続けた山出さん。今や世界から多くの観光客が訪れる街、金沢の礎を築いた功績は、計り知れません。