石川テレビ

石川テレビ 8ch

石川県内ニュース

【能登人を訪ねて】#108 自力で町を復興!家、建てっぞぉープロジェクト~輪島市町野町~

今回は、輪島市町野町で現在進行中の「家(うち)建てっぞぉープロジェクト」
地元住民たちが自力で家を建て、復興の意欲を盛り上げようというものです。
猛暑の中、建設は着々と進んでいました。
(稲垣)
「半年前更地だった場所に、見事な木造の建物が姿を現しました。住民達で地元の木を切り、その木を使って家を建てる前代未聞のプロジェクト。ここまでを振り返ります」
今年1月、輪島市町野町の山林。
(稲垣)「今は何をしているところなんですか?」
(大石賢斉(まさなり)代表)「これはログハウスを作るための木を切っているところです」
「家 建てっぞぉープロジェクト」代表で医師の大石賢斉さんをはじめとする地元の有志グループが去年秋から本格的にスタートさせた『地元住民』が『自分たちの力』で『地元の木を使ってログハウスを建てる』というプロジェクトです。
(大石さん)「地震とか大雨とかで崩れている山がたくさんあって、そこで本当は使えるのに使えていない木がたくさん転がっていたりするのを目の当たりにすると、これはちゃんと使わなきゃいけない」「しかも今(町野では)住宅事情が問題になっていますから、せっかくだからちゃんと使える段階まで育っている木を今のニーズに合う住宅というところにまでつなげていかないと、植林をしたご先祖の気持ちも繋げないし、こうやって邪魔者扱いされているスギたちの気持ちも繋げないし…となると、もうやることは一つですよね」
メンバー全員が技術ゼロからのスタート。そこでメンバーらは去年の秋からチェーンソーの使い方を皮切りに様々な重機の技術講習会に参加。プロジェクトに必要な技術を習得してきました。
建てる場所は、町野町中心部のおよそ60平方メートル。今年4月に着工し、地元業者と共同で基礎工事や生コンクリートの打設など着々と工事を進めてきました。一方、今回切った木はおよそ100本。内装材やログハウスの外壁、大きな柱などの主要な構造材は製材所で加工しましたが一部の部材の最終加工は自分たちで行いました。
(稲垣)「こういう機械は(自分たちで)やろうとしても手に入らないと思うんですけど、どうしたんですか?」
(大石さん)「これは陸前高田で東日本大震災以降に『自分たちで材木を作って家を建てていこう』という活動をされていた方がいらして…しかし時間が経ってその事業は終わって機械は遊んでいるような状況だった。それを繋いでくださる方がいらっしゃって、それを譲り受けたと…」
(稲垣)「思いを受け継いでいるということにも…」
(大石さん)「なりますね」
そして、8月中旬。製材所で加工された木材が町野に戻ってきました。いよいよ組み上げ開始です。メンバーも気合十分。しかし、リーダー・大石さんの姿がありません。
(大石さん)「じゃ行くか…大丈夫?」大石さんは、町野で唯一の医師。待ちに待った組み上げの日ですが、もちろん予防接種が最優先。
(稲垣)「先生の先生らしいところを初めて見たかも…」
(大石さん)「確かにそうかも…なかなかお見せする機会がありませんのでね」
(稲垣)「ちなみに外では組み上げ作業が行われていますが…」
(大石さん)「居てもたってもいられないというのはこういう事ですね」
作業はメンバーと、今回施工協力をする東京のログハウスメーカーの技術者で行われます。彼らが用意してきたのが詳細な作業手順書書。
(BESS 平峻一郎さん)「作業手順書を作っておりまして、ログハウスを特別な技術とか経験がない方でもこの手順書通りに組めばいいという形で今回特別に作りました」
(稲垣)「一般的にこのようなものを作ることはあるんですか?」
(BESS 平さん)「(普段は)大工さん向けに、プロ向けの簡単な作業手順書を用意しているんですけど、今回はやっぱりプロの大工さんではないのでなるべく簡単な言葉で誰でも理解できるような形でなるべく細かく用意しました」しかし、初めての作業にメンバーは悪戦苦闘。
(メンバー)「難しいです。ビス打ちとかも(場所が)決まらなくて…グニョグニョとかなったりするんで。才能がないのか…」でも、技術者たちは見守るだけで決して手は出しません。
(BESS 平さん)「次から自分たちで組めるようにサポートしていきたいと思っているので、なるべく皆さんが主体的に作業できるように、ところどころポイントだけを皆さんにお伝えしている」
(稲垣)「皆さんもどかしそうな表情をしているところがありましたが」
(BESS 平さん)「そうですね、普段(の現場)からするとなかなかスピードが思うようにいかない部分もあるんですけど、それも皆さんご自分でやりたいということでしたので、その意思を組みながらやっています」
(メンバー)「普段も建築関係の仕事はしているんですけど、こういうところは余りないですし、初めてのことなんですごく新鮮ですね」「すごく豪華なプラモデルのように思えるんで、好きな人はハマると思います」
午後、診療を終えた先生が駆け付けました。皆で力を合わせ、組み立てを進めていきます。
(大石さん)「やってみなきゃわからない難しさというのがあって、それでもクリアした後にはよっしゃ!って感じになりますし」「みんなでワイワイやっているのは楽しいですね、何をするにしてもいいですね」
組み立てはおよそ10日間。どんどん形が出来上がってきました。
8月30日、ついに屋根の骨組みが完成。『地元住民が、自分たちの力で地元の木を使って建てる』ログハウスの形が見えてきました。
この日は、ログハウスの上棟式。地元の子供たちが祝い太鼓を披露し、多くの住民が棟上げを祝いました。
(大石さん)「地震の後に何かログハウスを広げていきたいと、創造的なワクワク感が止まらなくなって、宮本さんと一緒に山に行って木を切りだしたところがスタートでした」「それから止められないワクワクをたくさんの人と共有して…難しいことがたくさんあったんですけど、何だかよくわからないうちに乗り越えて行って、そしてここに至りました」「このログハウスプロジェクトに関わった皆さん、すごく『自力』がついて、あの時と今とでは全然違う面構えをしていると思います。そんな面構えを子供たちはどう感じるのか。『カッコいい大人』ときっと感じてくれるんじゃないかと思います。そんな大人がこの町野にあふれるような、そんなところになったら、そして結果としてログハウスが広がっていくような街並みになったらめっちゃいいと思いませんか!」「僕はそれをやりたくて仕方がないです。一緒にこれから皆さんとやっていきたいです。今日は本当にありがとうございました」
(稲垣)「今後どのような形で仕上げていきたいですか?」
(大石さん)「これからもやることはたくさんありますので、今まで以上にたくさんの方に関わって頂いてそして一つのものを仕上げていくと」「皆の力が結集した物としての最終的な形を皆で作り上げていきたい、改めてそう思います」

最近のニュース